情 報
何枚かのパネルが連続し、折りたたむことのできる「屏風」は、中国で発祥して日本にもたらされ、独自の発達を遂げた調度品です。とりわけ、あでやかに彩り、輝く黄金で加飾した「金屏風」は、国内で幅広く使われただけでなく、アジアやヨーロッパの国王などに進物として贈られ、国際的に喜ばれた日本ならではの美術品でした。
本展では、岡田美術館の3階を会場とし、「日本美術の花」といえる金屏風によって全4室を埋め尽くします。金屏風に限定して構成する企画は、展覧会として初の試みといえるでしょう。展示されるのは、桃山時代から昭和初期にいたる、狩野派・長谷川派・琳派ほかの画家たちが手掛けた花鳥画・名所絵・物語絵・山水図など約30点です。照り輝く金地、画面を力強く流れる金雲、たな引く金霞など、金の表現方法は実に多様で、そこには金という素材に対する日本人の繊細な感性がうかがわれます。作品ごとに異なる金の使い方や、時代による変遷などに注目しながら、豪華絢爛な「黄金の空間」をお楽しみください。
*会期中、一部展示替を行います。